求人票の仕事内容の書き方|求職者に伝わる内容・具体例と見直しポイント

求人票の仕事内容を書くとき、「できるだけ具体的に」と言われても、何をどこまで書けばよいのか迷うことがあります。
仕事内容で大切なのは、文章を長くすることではありません。求職者が求人を読んだときに、「何をする仕事なのか」「自分の経験を活かせそうか」を判断できる情報になっているかを確認することが重要です。
マイナビの「転職動向調査」をもとにした経年比較では、2025年転職者の22.5%が、求人への応募をためらう理由として「仕事内容が分かりにくい」を挙げています。
Indeedリクルートパートナーズリサーチセンターが全国18〜74歳の20,634人を対象に実施した「『働く』に関する2万人調査 2025」では、「希望に合う求人が見つからない」と回答した求職者において、希望と実際の求人情報とのギャップが最も大きかった項目は「仕事内容」でした。
仕事内容だけが応募を左右するわけではありませんが、求職者が「自分に合う求人か」を判断するうえで確認される情報の一つです。この記事では、求人票の仕事内容に何を書けばよいのか、抽象的な仕事内容をどう具体化するのかを、例を交えながら解説します。
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求人票の仕事内容を書くとき、「できるだけ具体的に」と言われても、何をどこまで書けばよいのか迷うことがあります。
仕事内容で大切なのは、文章を長くすることではありません。求職者が求人を読んだときに、「何をする仕事なのか」「自分の経験を活かせそうか」を判断できる情報になっているかを確認することが重要です。
マイナビ「転職動向調査」の経年比較では、2025年転職者の22.5%が、求人への応募をためらう理由として「仕事内容が分かりにくい」を挙げています。
また、Indeedリクルートパートナーズ リサーチセンターが全国18〜74歳の20,634人を対象に実施した「『働く』に関する2万人調査 2025」では、「希望に合う求人が見つからない」と回答した求職者について、希望と実際の求人情報とのギャップが最も大きかった項目は「仕事内容」でした。
仕事内容だけが応募を左右するわけではありませんが、求職者が「自分に合う求人か」を判断するための重要な情報の一つです。
この記事では、求人票の仕事内容に何を書けばよいのか、抽象的な仕事内容をどう具体化するのかを、具体例を交えながら解説します。
求人票の「仕事内容」には何を書く?
求人票の仕事内容では、職種名や業務名だけでなく、求職者が実際の仕事をイメージできる情報まで示します。
実務上、まず確認したいのは次のような情報です。
| 確認すること | 内容の例 |
|---|---|
| 主な業務 | 商談、問い合わせ対応、資料作成など |
| 誰を相手にするか | 法人、個人、新規顧客、既存顧客など |
| 何を扱うか | 商品、サービス、システム、情報など |
| どこまで担当するか | 商談のみ、提案から契約までなど |
| どう仕事を進めるか | 訪問、オンライン、チーム連携など |
| 入社後に任せること | 最初に担当する業務、慣れた後に任せる業務など |
なお、これらすべてが法律上の明示義務として定められているわけではありません。 求職者に仕事内容を分かりやすく伝えるための、実務上の確認項目です。
たとえば、
法人営業を担当していただきます。
だけでは、実際の仕事はほとんど分かりません。
同じ法人営業でも、
- 何を提案するのか
- 誰に提案するのか
- 新規顧客と既存顧客のどちらが中心か
- 商談だけを担当するのか
- 契約まで担当するのか
によって仕事内容は変わります。
この会社を知らない第三者が求人を読んでも、入社後の仕事をある程度説明できるか。
これを一つの基準にすると、不足している情報を見つけやすくなります。
ハローワーク求人では冒頭の仕事内容も確認する
ハローワークを利用している場合は、仕事内容欄の冒頭にも注意が必要です。
ハローワーク名古屋中では、「仕事内容」は360文字まで入力できる一方、検索結果一覧では最初の3行、90文字が表示されると案内しています。そのため、仕事内容の全体像が冒頭でも伝わるか確認しておくとよいでしょう。
これはハローワークの表示仕様に関する話です。他の求人媒体にも同じ文字数を当てはめるのではなく、それぞれの表示形式を確認してください。
仕事内容を具体的にする5つのステップ
抽象的な仕事内容を改善するとき、いきなり文章を書き換える必要はありません。
まずは「採用する人に何を任せるのか」を明確にし、その内容を求人票へ落とし込んでいきます。
1.なぜこのポジションを採用するのか確認する
最初に確認したいのは「どう書くか」ではなく、なぜこのポジションを採用するのかです。
たとえば、
- 退職者の欠員を補充したい
- 事業拡大に伴って人員を増やしたい
- 経営者や管理職が担当している業務を引き継ぎたい
- 新しい顧客層への営業を強化したい
など、採用する背景によって任せる仕事は変わります。
「営業職を採用したい」という情報だけでは、仕事内容はまだ書けません。
一方、
新規顧客の獲得を増やすため、現在代表が担当している初回商談以降の営業活動を任せたい
まで明確になれば、その後に洗い出すべき仕事も見えやすくなります。
募集背景をそのまま長文で求人票に掲載する必要はありません。まずは社内で、採用する人に何を期待しているのかを確認します。
2.実際に発生する業務を洗い出す
次に、職種名ではなく実際の行動まで分解します。
たとえば法人営業であれば、
- 問い合わせ企業への連絡
- 初回商談
- 顧客課題のヒアリング
- 提案内容の作成
- 見積書の作成
- 契約手続き
- 既存顧客への定期連絡
などです。
この段階では、きれいな求人文章にする必要はありません。
実際に働いている社員や現場責任者にも確認しながら、そのポジションで日常的に発生している仕事を洗い出します。
3.メイン業務と付随業務を分ける
仕事内容を詳しくしようとして、すべての業務を同じ重さで並べると、かえって「結局何をする仕事なのか」が分かりにくくなることがあります。
たとえば営業職なら、
主な仕事
- 法人顧客との商談
- 課題のヒアリング
- 提案
付随する仕事
- 見積書作成
- 顧客情報の入力
- 社内打ち合わせ
のように分けます。
実際の業務割合を把握できているのであれば、「顧客対応が中心」などの補足もできます。
一方で、「営業70%、事務30%」などの数字を把握していないのであれば、求人を具体的に見せるためだけに数字を作る必要はありません。
4.「誰に・何を・どうやって」を加える
業務を洗い出したら、それぞれについて、
- 誰に対して
- 何を扱い
- どのように進め
- どこまで担当するのか
を確認します。
たとえば、
お客様への営業を担当します。
だけだった仕事内容を、次のように変えられます。
中小企業の人事・経営者に対して、自社の採用管理サービスを提案します。問い合わせや紹介で接点を持った企業とのオンライン商談を中心に、採用課題のヒアリングから提案、契約までを担当します。
※上記は仕事内容の書き方を説明するための架空例です。
文章を長くするのではなく、仕事を理解するために不足している情報を補うと考えると分かりやすくなります。
5.入社後の仕事の進め方も必要に応じて示す
入社直後から、求人票に書かれているすべての仕事を担当するとは限りません。
その場合は、
入社後は既存顧客への対応から担当します。商品や社内の業務フローを理解した後、経験に応じて新規顧客への提案もお任せします。
のように、最初に任せる仕事と、その後に担当する仕事を分ける方法があります。
日々の動きがある程度決まっている職種では、「1日の流れ」を補足するのも一つの方法です。
たとえば、架空の営業職であれば、
9:00 メール・問い合わせ確認
10:00 顧客とのオンライン商談
13:00 提案資料の作成
15:00 既存顧客へのフォロー
17:00 社内共有・翌日の準備
のように示せば、仕事の進め方をイメージしやすくなります。
ただし、日によって業務内容が大きく異なる職種で、実態とは異なる「典型的な1日」を無理に作る必要はありません。
その場合は、
- 1案件の流れ
- 1か月の流れ
- 入社後の業務習得の流れ
など、実際の仕事に合う単位で示す方法もあります。
なお、ここで説明している「仕事の習得順序」や「1日の流れ」と、後述する法令上の「従事すべき業務の変更の範囲」は別のものです。
Before/Afterで見る仕事内容の書き方
ここまでの考え方を、具体例で確認してみましょう。
単に文章を長くするのではなく、
Before → 何が分からないか → 実際の仕事を確認 → After
の順で見直すことがポイントです。
例1.法人営業
Before
法人営業を担当していただきます。
新規顧客への提案や既存顧客のフォローをお願いします。
この仕事内容では、次の情報が分かりません。
- 何を提案するのか
- 誰に提案するのか
- 新規顧客とどう接点を持つのか
- どこまで担当するのか
- 訪問営業なのかオンラインなのか
そこで、実際の仕事を確認します。
確認した内容の例
- 商材:法人向け業務管理システム
- 顧客:中小企業の管理部門
- 新規顧客:問い合わせ企業が中心
- 担当範囲:ヒアリングから契約まで
- 商談:オンライン中心
- 契約後:カスタマーサポートへ引き継ぐ
After
中小企業の管理部門を中心に、自社の業務管理システムを提案する法人営業です。
Webサイトなどからお問い合わせいただいた企業とのオンライン商談を中心に、業務上の課題をヒアリングし、サービスの提案から見積書作成、契約手続きまでを担当します。
契約後の導入支援はカスタマーサポート担当へ引き継ぎます。
※架空の求人例です。
Beforeとの違いは文章量だけではありません。
「何を、誰に、どこまで担当するのか」が分かり、仕事の範囲が見えやすくなっています。
例2.一般事務
Before
一般事務業務をお任せします。
電話対応、データ入力などを担当していただきます。
この場合も、
- 何のデータを入力するのか
- 誰からの電話に対応するのか
- どの部署を支援するのか
- 何が中心業務なのか
が分かりません。
確認した内容の例
- 営業部門をサポート
- 顧客情報や受注情報をシステムへ入力
- 見積書・請求書の作成補助
- 顧客からの電話を担当者へ取り次ぐ
- 社内の営業担当者とのやり取りが多い
After
営業部門の事務サポートを担当します。
主な仕事は、顧客情報・受注情報のシステム入力、見積書や請求書の作成補助、顧客からの電話の取り次ぎです。
営業担当者と確認を取りながら業務を進めるため、社内でのコミュニケーションが多いポジションです。
※架空の求人例です。
「一般事務」という職種名だけで説明するのではなく、何を支援する事務なのかまで示しています。
求人募集時は「従事すべき業務の変更の範囲」の明示も必要
求人票の仕事内容を書く際には、分かりやすさだけでなく、法令上必要な労働条件の明示も確認します。
2024年4月1日から、労働者の募集などにおける明示事項として、新たに「従事すべき業務の変更の範囲」「就業の場所の変更の範囲」「有期労働契約を更新する場合の基準」が追加されています。
仕事内容については、雇入れ直後の業務だけでなく、締結する労働契約期間中に変更される可能性がある業務の範囲も明示する必要があります。
たとえば、業務内容を変更する予定がない場合は、
雇入れ直後:法人営業
変更の範囲:変更なし
のように記載します。
配置転換などによって別の業務を担当する可能性がある場合は、実際に想定している変更範囲を確認したうえで記載します。
ここで重要なのは、
入社後は既存顧客対応から始め、慣れた後に新規営業も担当する
といった仕事の習得順序と、法令上明示する従事すべき業務の変更の範囲を混同しないことです。
また、前半で紹介した「誰を相手にするか」「1日の流れ」「チームとの連携」などは、求職者に仕事を伝えるための実務上の情報です。法令上必要な明示事項とは分けて考えましょう。
求人票を公開する前に仕事内容をチェックする
仕事内容を書いたら、求人を知らない人の視点でもう一度確認してみましょう。
- 入社後に主に担当する仕事が分かる
- 誰を相手にする仕事なのか分かる
- 扱う商品・サービス・情報などが分かる
- どこからどこまで担当するのか分かる
- 仕事の進め方や関係者が分かる
- 入社直後に任せる仕事が分かる
- 必要に応じて1日の流れや案件の流れが分かる
- 「幅広くお任せします」だけで済ませていない
- 付随業務ばかり並び、中心となる仕事が埋もれていない
- 人物像だけを書いて仕事内容の説明を省いていない
- 実際の仕事内容と求人票の内容が一致している
- 従事すべき業務の変更の範囲(変更なしの場合を含む)が明示されている
すべての情報を細かく書けばよいわけではありません。
求職者が仕事を判断するために必要な情報が抜けていないかという視点で確認します。
最後に、求人を知らない第三者へ見てもらい、
「この人は入社したら、どんな仕事をするの?」
と聞いてみるのも一つの方法です。
仕事内容を説明できないのであれば、まだ情報が足りない可能性があります。
なお、求人を出しても応募が来ない場合、仕事内容だけが原因とは限りません。
求人自体が十分に表示されているのか、求人詳細まで見られているのかによって、先に確認するポイントは変わります。
仕事内容以外も含めた確認順については、求人を出しても応募が来ない原因は?求人票を直す前に確認したいポイントで詳しく解説しています。
仕事内容が書けないときは、求人票より先に「任せる仕事」を確認する
求人票を何度書き直しても仕事内容が具体的にならない場合、文章力だけが問題とは限りません。
そもそも社内で、
- なぜ採用するのか
- 採用した人に何を任せるのか
- 現在その仕事を誰が担当しているのか
- どの仕事が特に重要なのか
- どこまで担当してもらうのか
が決まっていないことがあります。
その状態で求人票だけを修正すると、
幅広い業務を担当していただきます
経験に応じてさまざまな仕事をお任せします
といった表現になりやすく、仕事の実態を伝えにくくなります。
求人票を書くときは、
採用する目的
→ 任せる役割
→ 実際の業務
→ メイン業務
→ 対象・担当範囲・進め方
→ 求人票
という順で確認すると、伝えるべき仕事内容が見えやすくなります。
仕事内容が書けないからといって、すぐに「求人ライティングの問題」と決めつけないことも大切です。
求人票の前提となる「誰を採用し、何を任せたいのか」まで戻って確認してみましょう。
求人票を直そうとしても、何を書けばよいのか決められない方へ
サイヨミの「採用の棚卸し」では、求人票だけでなく、採用ターゲットや競合求人、求人表現なども含めて1ポジションの採用状況を確認し、改善の優先順位を整理します。
採用の棚卸しを見る
まとめ|仕事内容は「求職者が判断できる情報」になっているか確認する
求人票の仕事内容を書くときは、
- なぜ採用するのかを確認する
- 実際に発生する業務を洗い出す
- メイン業務と付随業務を分ける
- 誰に・何を・どうやって仕事をするのか示す
- 必要に応じて1日の流れや入社後の仕事を補足する
- 法令上必要な「従事すべき業務の変更の範囲」も確認する
という順で考えてみてください。
仕事内容を長くすること自体が目的ではありません。
求人を読んだ求職者が、「どんな仕事をするのか」「自分の経験を活かせそうか」を判断できる状態になっているかが重要です。
仕事内容をうまく書けない場合は、文章表現だけを直すのではなく、採用する人に任せる仕事そのものから確認してみるとよいでしょう。


