採用改善

スカウト返信率の平均は?数値の見方と返信率が低いときの改善ポイント

公開:2026/9/7 更新:2026/9/7 著者:水野徹哉
スカウト返信率の平均値の見方と、ターゲット・媒体・求人・文面・候補者への打診方法を確認する流れを示した図解

スカウト返信率の平均は一律に判断できません。公開データを見るときの注意点、自社の返信率の見方、ターゲット・媒体・求人・文面など返信率が低いときの確認ポイントを採用担当者向けに解説します。

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スカウトを送っているものの返信が少ないと、「平均返信率は何%なのか」「自社の返信率は低いのか」と気になることがあります。

ただし、スカウト返信率は、媒体や職種、候補者層、アプローチ方法、「返信」の定義などによって条件が変わります。

今回確認した公式・一次資料では、日本の採用スカウト全体について共通して使える、一律の「平均返信率○%」は確認できませんでした。

そのため、Web上で見つけた平均値だけを見て、自社のスカウト運用が良い・悪いと判断するのは避けた方がよいでしょう。

この記事では、スカウト返信率の基本的な見方から、公開データを確認するときの注意点、返信率が低いときに自社で確認したいポイントまで整理します。

スカウト返信率とは?まず計測方法をそろえる

スカウト返信率を見るときは、まず何を分母・分子として計測しているのかをそろえます。

自社で管理する場合は、たとえば次のように計測できます。

スカウト返信率 = 返信数 ÷ スカウト送信数 × 100

ただし、これは自社で管理する場合の一例です。

媒体側で独自の定義がある場合は、その定義を確認してください。送信数の数え方や、何を「返信」と扱うかが異なれば、同じ「返信率」という名称でも単純には比較できません。

「返信」の中身も確認する

返信率を見る際は、返信があったかどうかだけでなく、返信内容も分けて確認すると状況を把握しやすくなります。

たとえば、

  • 一度話を聞いてみたい
  • 仕事内容について質問したい
  • 今回は辞退したい
  • 現在は転職を考えていない

はいずれも「返信」には含められます。

しかし、採用改善という観点では、辞退の返信が増えた場合と、面談につながる返信が増えた場合では意味が異なります。

そこでサイヨミでは、実務上の整理として「返信率」に加えて、前向きな返信の割合も確認する方法をおすすめします。

指標確認すること注意点
返信率送信に対して返信があった割合辞退なども含まれる可能性がある
前向き返信率面談や次の会話につながる返信の割合自社内で「前向きな返信」の定義を決める

「前向き返信率」は業界共通の公式指標ではありません。

重要なのは名称ではなく、単純な返信数と、実際に次の接点へつながった返信を分けて確認することです。

スカウト返信率の平均はどのくらい?

今回確認した公式・一次資料では、日本の採用スカウト全体に共通する平均返信率は確認できませんでした。

検索すると「平均○%」「一般的には○〜○%」といった数値を見かけることがあります。

しかし、その数値が、

  • どの媒体なのか
  • どの職種なのか
  • どの候補者が対象なのか
  • いつのデータなのか
  • 何を「返信」としているのか
  • 媒体全体なのか、一部企業の実績なのか

まで分からなければ、自社の目標値としてそのまま使うのは難しくなります。

公式に確認できるデータも「市場平均」ではない

媒体が公式に公開している返信率関連のデータはあります。

ただし、それらも採用スカウト全体の平均値ではなく、特定の媒体・条件におけるデータです。

公式データ確認できる内容注意点
Green「貴社に注目」ラベル対象者へのスカウトは、通常より平均2.91倍返信率が高かった2023年11月28日〜12月31日のGreen内集計。返信率そのものの市場平均ではない
LinkedIn個別送信されたInMailは、一括送信より返信率が約15%高かった2021年5月〜2022年4月に世界の企業リクルーターが送った数千万件のInMailの分析。LinkedIn内のデータ

Greenの「貴社に注目」は、自社の求人・PR記事を半年以内に閲覧した人や、自社求人との類似性が高い求人を閲覧したと判断された人などに付与されるラベルです。

つまり、「どの候補者へ送るか」によって返信率が異なることを示すGreen内のデータではありますが、Green全体の平均返信率が2.91倍という意味ではありません。

LinkedInのデータも同様です。

2021年5月から2022年4月に、世界の企業リクルーターが送信した数千万件のInMailを分析したもので、人材紹介会社は対象外です。また、30日以内に得られた返信を「返信」として集計しています。

そのため、日本国内のすべてのスカウト媒体に「個別送信すれば15%上がる」と一般化することはできません。

同じ媒体でもアプローチ方法によって条件が違う

Greenでは、候補者へのアプローチとして「会いたい」と「スカウト」という異なる機能があります。

公式ヘルプでは、

  • 「会いたい」:面談を打診する
  • 「スカウト」:メッセージを送り、候補者の次のアクションは応募

と説明されています。

また、「スカウト」より「会いたい」の方が平均返信率が高い傾向にあるとされています。

このデータから他媒体でも同じ結果になるとは言えません。

ただし、同じGreen内でも、候補者に何を求めるアプローチなのかによって返信率の条件が異なることは分かります。

「返信率○%」を見たときに確認したい5項目

他社や媒体が公開している返信率を見るときは、少なくとも次の5項目を確認しましょう。

  1. どの媒体の数字か
  2. どの職種・候補者層が対象か
  3. どの期間のデータか
  4. 何を「返信」と定義しているか
  5. 媒体全体の平均か、特定企業・特定施策の結果か

数字そのものだけでなく、その数字と自社の条件がどこまで近いかを見ることが重要です。

自社のスカウト返信率は高い?低い?平均より先に見ること

自社の返信率が高いか低いかを判断するときは、他社平均だけでなく、自社内で条件をそろえた推移も確認します。

たとえば、

  • 同じ媒体
  • 同じ職種
  • 近い候補者層
  • 同じ返信の定義

で月ごとの返信率を比較します。

「他社は10%なのに自社は5%」という比較では、条件の違いによる影響を切り分けられません。

一方、

同じ営業職・同じ媒体で、前月5%だった返信率が今月3%になった

のであれば、

  • 送信対象を変えたか
  • 検索条件を変えたか
  • 求人内容を変えたか
  • スカウト文を変えたか

など、自社内の変化を確認しやすくなります。

採用KPIの記事でも、他社平均だけでなく、自社の実績を起点に数字を見る考え方を解説しています。

また、返信率が低いからといって、すぐに「この媒体は効果がない」と判断するのも早い場合があります。

媒体そのものではなく、ターゲットや求人内容、スカウトの訴求などに原因がある可能性もあるからです。

スカウト返信率が低いときに確認したい6つのポイント

スカウト返信率が低いと、「件名を変えよう」「文章を書き直そう」と考えがちです。

しかし、スカウトは文面だけで成立しているわけではありません。

誰に送るか → どの媒体で接触するか → どの求人を案内するか → 何を伝えるか → どのような行動を求めるか

がつながっています。

ここでは、返信率が低いときの確認先を6つに分けます。

1.送る相手・検索条件は合っているか

最初に確認したいのは、スカウト本文ではなく送信対象です。

以下を確認してみてください。

  • 採用要件が明確になっているか
  • その仕事で本当に必要な経験・スキルを整理できているか
  • 必須条件を増やしすぎていないか
  • 候補者プロフィールのどこを見て送っているか
  • 検索条件に該当しただけの人へ機械的に送っていないか

スカウトを作る前に、

なぜ、この候補者へ連絡するのか

を説明できる状態になっているか確認します。

採用する人に必要な経験や能力自体が曖昧な場合は、先に採用要件を整理しましょう。

候補者が転職時に何を重視しそうか、どの情報を伝えるべきかまで考える場合は、採用ペルソナも参考になります。

2.使っている媒体と採用ターゲットは合っているか

次に確認するのが、媒体と採用ターゲットの適合です。

媒体によって、

  • 登録している職種
  • 年齢層
  • 経験
  • 候補者の状態
  • スカウトの仕組み

などは異なります。

返信率だけを見る前に、そもそもその媒体に自社が採用したい候補者がいるのかを確認してください。

複数の媒体や人材紹介、スカウトなどをどう選ぶかは、採用チャネルの選び方でも詳しく整理しています。

3.求人・仕事内容・条件も見直す

スカウト文章だけでなく、候補者がその後に確認する求人詳細も見直します。

Greenの公式活用資料でも、数値を確認してボトルネックを特定した後、求人内容やスカウト文章を改善する流れが案内されています。

確認したいのは、

  • 何をする仕事なのか分かるか
  • 入社後に期待される役割が分かるか
  • 給与や勤務地、働き方が分かるか
  • 応募条件が過度に厳しくなっていないか
  • 候補者が判断するために必要な情報があるか

といった点です。

スカウト文だけを直す前に、リンク先となる求人票全体の書き方や仕事内容の伝え方も確認してみてください。

4.「なぜあなたに送ったのか」が伝わっているか

候補者から見れば、自分宛てに届いたスカウトでも、誰にでも当てはまる内容であれば一斉送信のように感じることがあります。

スカウト文面では、

  • 候補者のどの経験を見たのか
  • なぜその経験に注目したのか
  • 自社の仕事とどうつながるのか
  • なぜ今回連絡したのか

が伝わっているか確認します。

LinkedInでは、2021年5月〜2022年4月のInMail分析で、個別送信されたInMailの返信率が一括送信より約15%高い結果が報告されています。

ただし、これは世界の企業リクルーターによるLinkedIn内のデータです。

したがって、

パーソナライズすれば、どの媒体でも返信率が15%上がる

とは言えません。

自社では、「なぜこの人に送っているのか」が候補者に分かる内容になっているかを確認する材料として考えましょう。

5.最初から候補者に多くを求めすぎていないか

スカウトを受け取った候補者に、次の行動として何を求めているかも確認します。

たとえば、

  • すぐに応募してもらう
  • 面談前に応募書類を提出してもらう
  • 長いフォームへ入力してもらう
  • 最初の連絡から多くの情報提供を求める

といったケースです。

Greenでは、カジュアルな面談の段階で履歴書・職務経歴書の提出を求めると、面談設定率が下がる可能性があると公式ヘルプで案内しています。

これはGreenでの実務上の案内であり、すべての媒体・採用場面にそのまま当てはまるとは限りません。

ただし、スカウトを見直す際には、候補者が次の行動を取りやすい設計になっているかも確認した方がよいでしょう。

6.送信後の運用まで確認できているか

スカウトは送信して終わりではありません。

  • 未返信者への対応を決めているか
  • 返信があった候補者への対応が遅れていないか
  • フォローするときのルールがあるか
  • 同じ候補者へ機械的に繰り返し送っていないか

といった運用も確認します。

Greenでは、「会いたい」を送った後に反応がなかった候補者への追いかけ連絡として「スカウト」を利用する方法が紹介されています。

ただし、「○日後に再送する」「○回送ればよい」といった共通の最適値は、今回確認したSourceからは判断できません。

自社でフォローを行う場合も、一定のルールを決めて結果を確認することが重要です。

返信率だけではなく「その後」まで確認する

返信率が改善しても、それだけで採用成果が改善したとは限りません。

たとえば、

  • 返信は増えたが面談につながらない
  • 辞退の返信ばかり増えている
  • 面談はできるが選考へ進まない
  • 選考には進むが採用につながらない

のであれば、別の場所に課題があります。

スカウト施策は、たとえば次のように分けて確認できます。

送信 → 返信 → 前向き返信 → 面談 → 応募・選考 → 内定 → 採用

こうして段階を分けると、

スカウトへの反応が少ないのか

それとも、

返信は来ているが、その後につながっていないのか

を切り分けやすくなります。

求人応募や選考を含めたKPIの考え方は、採用KPIとは?でも解説しています。

中小企業なら、まず4つだけでも記録する

採用専任担当がいない企業で、最初から複雑なダッシュボードを作る必要はありません。

まずは、次の4つから記録する方法があります。

段階確認する数字何が分かるか
送信送信数どれだけ候補者へ接触したか
返信前向き返信数・率次の接点につながる反応を得られたか
面談面談数・面談化率返信から実際の接点につながったか
採用採用数最終的に採用へつながったか

媒体側で開封率や求人閲覧数などを取得できる場合は、その数字も加えると、さらに細かく原因を確認できます。

一方で、取得できない指標を無理に追う必要はありません。

スカウト返信率を改善するときの進め方

返信率が低い場合は、一度にすべてを変更するのではなく、原因を分けながら確認します。

以下は、今回確認した複数の資料と採用ファネルをもとにしたサイヨミとしての実務上の整理です。業界共通の公式手順ではありません。

STEP1.計測条件をそろえる

まず、

  • 返信率の定義
  • 集計期間
  • 対象媒体
  • 対象職種

をそろえます。

条件が違う数字を比較すると、本当に改善したのか判断しづらくなります。

STEP2.どこで返信率が低いのか分ける

全体の返信率だけでなく、可能であれば、

  • 媒体別
  • 職種別
  • 求人別
  • 候補者層別

に分けます。

たとえば特定の職種だけ返信率が低いのであれば、すべてのスカウト文を変更する必要はないかもしれません。

STEP3.ターゲットから順番に確認する

次に、

ターゲット → 媒体・検索条件 → 求人・条件 → 訴求 → 件名・本文 → 候補者に求める行動

を確認します。

「返信が来ない=文章が悪い」と決めつけず、上流から原因候補を確認します。

求人を出しても応募が来ない場合にも、同じようにファネルを分けて原因を見る考え方があります。詳しくは求人を出しても応募が来ない原因で解説しています。

STEP4.変更前後の数字を比較する

施策を変更したら、その前後で数字を比較します。

複数の項目を同時に大きく変えると、何が影響したのか判断しづらくなります。

可能な範囲で、

今回は送信対象を見直す

今回は求人内容を見直す

と仮説を決めて、数字の変化を確認します。

STEP5.返信後の面談・採用まで見る

最後に、

前向き返信 → 面談 → 選考 → 採用

まで確認します。

返信率だけを上げても、その後のプロセスにつながらなければ、採用活動全体が改善したとは言えません。

まとめ|平均値より、自社のどこで候補者が止まっているかを見る

スカウト返信率について、今回確認した公式・一次資料では、日本の採用スカウト全体に共通して使える一律の平均返信率は確認できませんでした。

公開されている数字を見る場合は、

  • 媒体
  • 職種・候補者層
  • 集計期間
  • 返信の定義
  • 全体平均なのか特定条件のデータなのか

を確認しましょう。

そのうえで、自社の返信率が低い場合は、文面だけではなく、

送信対象 → 媒体 → 求人・条件 → 訴求 → スカウト文面 → 候補者に求める行動 → 返信後のプロセス

まで切り分けます。

スカウトの目的は、返信率そのものを高くすることではありません。

候補者との接点をつくり、面談や選考を経て、自社が必要とする人材の採用につなげることです。

平均値だけを追うのではなく、自社の採用プロセスのどこで候補者が減っているのかを見ることが改善の出発点になります。

スカウトだけでなく、ターゲット・求人・媒体・数値のつながりから採用を見直したい場合は、採用マーケティングの考え方も参考にしてください。

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