選考・体制

面接辞退の理由は?企業側で確認したい原因と防止策

公開:2026/9/29 更新:2026/9/29 著者:水野徹哉

面接辞退の主な理由を面接前・面接後に分けて調査データから整理します。企業側で確認できる原因、辞退が多いときの確認順、防止策、辞退理由の把握方法を解説します。

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「書類選考を通過したのに、面接の日程調整中に辞退される」

「面接まで実施したのに、次の選考へ進んでもらえない」

面接辞退が続くと、求人の条件が悪いのか、連絡が遅いのか、面接に問題があるのか判断しにくいことがあります。

面接辞退の理由は一つではありません。

他社の選考が先に進むこともあれば、応募後に求人を見直して希望と違うと判断することもあります。面接後であれば、求人情報と実際に聞いた仕事内容・条件の違いが辞退につながる場合もあります。

そのため、面接辞退を減らしたいときは「辞退された」という結果だけを見るのではなく、

いつ辞退されたか → どのような理由だったか → 自社で確認・改善できることは何か

の順に分けて確認することが重要です。

この記事では、中途採用を中心に、面接辞退の理由と企業側で確認したいポイントを整理します。

面接辞退の理由は「いつ辞退したか」で分けて考える

面接辞退の理由を考えるときは、まず辞退が発生したタイミングを確認します。

同じ「選考辞退」でも、

  • 面接の日程が決まる前
  • 面接日が決まった後
  • 面接を受けた後
  • 内定提示後

では、候補者が判断した情報も企業との接点も異なるためです。

エン株式会社が『エン転職』利用者1,171名を対象に2025年11月に実施した調査では、転職活動で面接を辞退した経験がある人は28%でした。

面接を辞退した経験がある人に、辞退を決めたタイミングを聞いたところ、最も多かったのは「面接の連絡が来てから、面接日程が決まるまで」の42%でした。

同調査で確認された主な辞退理由は次の通りです。

面接辞退の理由割合
応募後に再考し、希望と異なると判断した41%
他社で選考が進んだ・内定を得た35%
ネット上で良くない評判やウワサを知った21%

いずれも複数回答による結果です。

この数値は『エン転職』利用者を対象としたアンケートであり、日本の中途採用全体の平均とは限りません。

ただし、面接前の辞退を「候補者の気が変わった」で終わらせず、どの要因が関係していそうか切り分ける材料にはなります。

面接前に辞退される主な理由

面接前の辞退では、大きく分けると「応募後の再考」「他社選考」「企業情報」「企業の対応」などを確認します。

1.応募後に求人を見直し、希望と違うと判断した

応募時点では興味を持っていても、その後に求人情報や企業サイトを見直し、

「思っていた仕事内容と違う」

「希望する働き方ではなかった」

と判断する場合があります。

2025年のエン株式会社の調査でも、面接辞退理由の最多は「応募後に再考し、希望と異なると判断したため」の41%でした。

この場合、単に求人の魅力を強くすることが解決策とは限りません。

確認したいのは、

  • 仕事内容を具体的に判断できるか
  • 給与・勤務地・勤務時間などが分かりやすいか
  • 求人タイトルと実際の仕事が一致しているか
  • 応募後に追加で知った情報と求人内容に大きな差がないか

といった点です。

候補者が応募前に判断できる情報を増やすことで、応募後に「思っていた仕事と違った」と気づくケースを減らせる可能性があります。

仕事内容の整理方法については、求人票の仕事内容の書き方でも解説しています。

2.他社の選考が先に進んだ

転職活動では、一人の候補者が複数企業へ同時に応募していることがあります。

そのため、自社の面接日程を調整している間に、

  • 他社の面接が先に進んだ
  • 他社から内定が出た
  • 他社への志望度が高くなった

ということもあります。

エン株式会社の2023年調査では、面接前に辞退した人の理由として「他社の選考が通過した」が37%で最多でした。

他社の選考そのものは、自社ではコントロールできません。

一方で、

  • 書類選考に何日かかっているか
  • 面接候補日をいつ提示しているか
  • 日程調整の往復が何回発生しているか
  • 面接結果をいつ伝えているか

といった自社側の選考速度は確認できます。

「他社に決まったから仕方がない」で終わらせず、他社が決まるまで自社の選考がどこで止まっていたのかを見ることが重要です。

3.口コミや評判を見て不安になった

2023年のエン株式会社の調査では、面接前の辞退理由として「ネットで良くない口コミを見た」が27%でした。

2025年の別調査でも、「ネット上で良くない評判やウワサを知ったため」が21%となっています。

口コミを完全にコントロールすることはできません。

まず確認したいのは、

  • 求人情報と企業サイトで説明が食い違っていないか
  • 実際の仕事内容や働き方と掲載内容に差がないか
  • 候補者が不安に感じそうな情報について説明が不足していないか
  • 面接前に仕事内容や組織について判断できる情報があるか

です。

悪い口コミを消すことを考えるよりも、候補者が複数の情報を見たときに、自社の実態を判断できる情報があるかを確認します。

4.応募後の企業対応に不安を感じた

2023年のエン株式会社の調査では、面接前辞退の理由として「企業の応対が悪かった」が20%でした。

企業との最初の接点は、面接そのものとは限りません。

応募後には、

  • 応募受付
  • 書類選考結果
  • 面接日程の調整
  • 面接場所やURLの案内
  • 選考フローの説明

など複数のコミュニケーションが発生します。

この段階で、

「返信がなかなか来ない」

「誰と面接するのか分からない」

「日程調整のやり取りが何度も発生する」

といった状態になっていないか確認します。

面接後の辞退では「求人情報と実際の話の違い」を確認する

面接前と面接後では、候補者が持っている情報量が変わります。

面接前は求人やWebサイトなど外部から得られる情報が中心ですが、面接後は、

  • 実際の仕事内容
  • 面接官や上司
  • チーム
  • 働き方
  • 給与・勤務地などの条件
  • 入社後に期待される役割

など、より具体的な情報を得ています。

エン株式会社が2023年に『エン転職』利用者8,622名へ行った調査では、面接後に選考を辞退した理由の1位は「求人情報と話が違った」の49%でした。

ここでは、単に「面接官の印象が悪かった」と考えるのではなく、求人から面接までの情報が一貫しているかを確認します。

たとえば、

求人:既存顧客中心の営業
面接:新規開拓が中心と説明された

あるいは、

求人:リモートワーク可能
面接:実際にはほぼ出社と説明された

という状態なら、候補者が選考途中で判断を変えるのは不自然ではありません。

求人票を魅力的にすることよりも、

求人 → 応募後の案内 → 面接での説明 → 条件提示

まで同じ前提で説明できているかを確認します。

求人全体の情報を見直す場合は、求人票の書き方も参考にしてください。

面接辞退が多いときに確認する5つの順番

面接辞退が増えたとき、すぐに「面接官研修をする」「日程調整ツールを入れる」と施策を決める必要はありません。

面接辞退が多いときに、辞退した段階、応募から面接までの日数、求人と面接の説明、候補者への連絡、辞退理由の順に確認する図解
面接辞退が多い場合は、発生した段階を起点に、選考日数・情報の一貫性・候補者対応・辞退理由の順で原因を切り分けます。

まず原因を切り分けます。

1.どの段階で辞退しているか

最初に、

  • 書類通過後、日程調整前
  • 日程調整中
  • 面接日確定後
  • 面接実施後
  • 最終面接前

など、辞退が起きた場所を分けます。

「面接辞退10人」だけでは原因を判断できません。

たとえば10人中8人が日程調整中に辞退しているなら、面接内容より前の工程を確認する必要があります。

採用全体のどこで候補者が減っているかを見る方法は、採用の歩留まりとは?で詳しく整理しています。

2.応募から連絡・面接までの日数を見る

次に、日数を確認します。

マンパワーグループが2024年に企業の人事担当者400名へ行った調査では、8割弱の企業が、程度の差はあるものの「応募から内定までのリードタイムが原因で応募者から辞退されたことがある」と回答しています。

同調査では、採用が長引く理由として、

  • 面接日程の調整
  • 面接担当者・現場との調整
  • 選考回数
  • 社内の意思決定
  • 採用担当者の人手不足

などが挙げられています。

また、ワークポートが2026年9月に自社を利用する転職希望者520人へ行った調査では、40.8%が「選考スピードの遅さ」により、辞退または志望度低下を経験したと回答しています。

これは「選考を何日短縮すれば辞退率が何%改善する」と示した因果実験ではありません。

ただし、自社で辞退が多い場合に、

  • 応募から初回連絡
  • 書類選考
  • 日程調整
  • 面接から結果連絡

のどこで時間を使っているかを確認する理由にはなります。

3.求人と面接の説明が一致しているか

面接後の辞退が多ければ、情報の一貫性を確認します。

特に、

  • 仕事内容
  • 給与
  • 勤務地
  • 勤務時間
  • リモートワークなどの働き方
  • 配属部署
  • 入社後に期待する役割

について、求人と面接官の説明が一致しているかを見ます。

人事が作成した求人と、現場責任者が考えている仕事の内容がずれているケースもあります。

求人を公開する前だけでなく、面接官にも「候補者へ何をどのように説明するか」を共有しておく必要があります。

4.候補者への連絡・案内を確認する

次に候補者とのコミュニケーションを確認します。

エン株式会社が2024年に直近1年以内に中途採用を実施した293社へ行った調査では、選考辞退対策を行っている企業が実施していた施策の上位は、

  1. 書類選考後、通過者への連絡を早くする:85%
  2. 面接日程を複数送り、選択できるようにする:76%
  3. 今後の選考の流れやお礼をメールで送る:60%

でした。

これは、それぞれの施策が辞退率を下げることを証明したデータではありません。

企業が実際に行っている対策として参考にしながら、自社では、

  • 次の連絡がいつ来るか分かるか
  • 日程候補を選びやすいか
  • 面接の所要時間が分かるか
  • オンラインURLや場所が分かりやすいか
  • 次の選考が何回あるか分かるか

を確認します。

5.辞退理由を記録する

最後に、候補者から理由を聞けた場合は記録します。

たとえば、

  • 他社決定
  • 仕事内容
  • 給与・条件
  • 勤務地・働き方
  • 日程・選考スピード
  • 面接・企業対応
  • 口コミ・評判
  • 転職活動そのものを中止
  • 理由不明

などに分類します。

ただし、候補者から伝えられた理由が、必ずしも辞退のすべてを説明しているとは限りません。

「一身上の都合」と伝えられたからといって、詳細な事情を推測して記録しないことも重要です。

面接辞退を防ぐために企業側でできること

面接辞退を完全になくすことはできません。

他社からの内定、候補者の家庭事情、転職活動の中止など、自社では直接変更できない理由もあるためです。

そのうえで、企業側で確認できることを改善します。

応募後の連絡を止めない

書類選考に時間がかかる場合でも、候補者から見ると「今どうなっているか分からない」状態にならないようにします。

特に、

  • 誰が対応するのか
  • いつまでに連絡するのか
  • 面接候補日はどの時点で出すのか

を社内で決めておくと、担当者による対応差を減らしやすくなります。

日程調整の往復を減らす

「ご都合の良い日を教えてください」

「○日はどうですか」

「難しいので別の日をお願いします」

という往復が続くと、日程確定までの時間が長くなります。

候補日を複数提示する、候補者が選択できる方法にするなど、自社の運用に合った方法で調整回数を減らします。

求人情報と面接で伝える内容をそろえる

面接の段階で初めて伝える重要な条件が多いほど、候補者が応募時の認識を修正する可能性があります。

特に候補者の判断に影響する、

  • 主な仕事内容
  • 勤務地
  • 働き方
  • 給与条件
  • 勤務時間
  • 配属
  • 入社後に期待する役割

は、求人・採用担当・面接官の認識をそろえます。

選考の先を見えるようにする

候補者が「あと何回面接があるのか」「いつ結果が出るのか」を把握できない状態も確認します。

選考の流れが決まっているなら、

一次面接 → 最終面接 → 条件提示

のように事前に伝えます。

選考期間を短くすることだけではなく、候補者が今どの段階にいて、次に何が起きるか分かる状態にすることも重要です。

辞退理由を聞くときは「答えられる範囲」で聞く

候補者から辞退の連絡があったとき、今後の改善のために理由を確認したい場合があります。

その場合は、

差し支えない範囲で、今回辞退を決められた理由を教えていただけますでしょうか。

など、回答が任意であることが分かる聞き方にします。

詳細な事情を回答するよう迫る必要はありません。

また、辞退理由の確認をきっかけに、本人の適性・能力と関係のない個人情報まで聞くことは避けます。

厚生労働省は公正な採用選考について、本籍・出生地、家族、家庭環境、宗教、支持政党、思想・信条など、本人の適性・能力に関係のない事項を採用選考で把握しないよう示しています。

辞退理由を確認する場合も、採用改善に必要な範囲にとどめ、

  • 仕事内容
  • 条件
  • 選考プロセス
  • 日程
  • 企業対応

など、自社が改善判断に使える情報を中心に扱います。

面接辞退率は外部平均より自社の変化を見る

面接辞退が多いか判断するために、「平均の面接辞退率」を知りたい場合もあります。

ただし、面接辞退率には統一された一つの分母があるわけではありません。

調査によって、

  • 面接辞退を経験した求職者の割合
  • 選考辞退が発生した企業の割合
  • 面接設定者のうち辞退した人数
  • 内定者のうち辞退した人数

など、異なる数字が「辞退率」として扱われることがあります。

そのため、外部の数字だけで自社の良し悪しを判断しないようにします。

自社で管理するなら、たとえば面接前辞退について、

面接前辞退率 = 面接前に辞退した人数 ÷ 面接設定者数 × 100

と定義し、同じ定義で継続して確認します。

さらに、

  • 職種
  • 求人チャネル
  • 面接官
  • 辞退タイミング
  • 辞退理由

を必要に応じて分けます。

採用人数が少ない場合は、1人の辞退だけで率が大きく変わるため、割合だけでなく実人数も確認してください。

重要なのは「他社平均より高いか」より、

以前より辞退が増えているのか
特定の職種だけ多いのか
日程調整中に集中しているのか

を見つけることです。

まとめ|面接辞退は「理由」だけでなく「どこで起きたか」から見る

面接辞退の理由には、

  • 応募後に希望と違うと判断した
  • 他社の選考が先に進んだ
  • 口コミや評判を見て不安になった
  • 企業の対応に不安を感じた
  • 求人情報と面接で聞いた内容が違った

などがあります。

ただし、すべての辞退を同じ原因として扱うことはできません。

まず、

面接前なのか → 日程調整中なのか → 面接後なのか

を分けます。

そのうえで、

選考速度 → 日程調整 → 求人と面接の一貫性 → 候補者対応 → 辞退理由

の順に確認すると、自社で見直せる場所を特定しやすくなります。

他社内定や候補者自身の事情など、自社では変えられない辞退もあります。

面接辞退をゼロにすることではなく、自社の採用プロセスが原因となっている辞退を見つけ、次の採用で同じ問題を繰り返さないことを目的に確認してみてください。

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